表紙からしてインパクト大!な絵本、「ストライプ-たいへん!しまもようになっちゃった」は、カラフルな色彩にぐっと引き寄せられます。
自分らしく生きること、自分らしさを大事にするということを教えてくれる絵本で、高学年の読み聞かせにとてもおすすめです。
「ストライプ-たいへん!しまもようになっちゃった」のあらすじ
人の目を気にする主人公カミラ・クリームは、本当はリマ豆が大好き。
だけど、学校のみんながリマ豆をきらいだから、カミラも絶対に食べようとしないのです。
新学期の一日目、みんなが私をどう思うかが気になる主人公カミラは、四十二着の服を次々に着替えていました。
すると突然、カミラのからだは、頭からてっぺんからつま先まで、色とりどりのしまもようになってしまいます。
お医者さんも原因がわからず、軟膏を出すだけ。
次の日、そのままの姿で学校に行ったカミラの姿を、みんなが大笑い。
さらに、カミラのからだの模様は、周りの言葉に合わせて次々と変わっていくという、最悪の事態に発展します。
学校からは、お友達がカミラの病気がうつるんじゃないかと心配しているから、学校を休むように連絡が入り、カミラはショックを受けます。
みんな友達だと思っていたのに…。
次の日から、色々な科学者や博士、医者たちが、次々に診断を下し、それぞれが置いていった薬を飲むと、カミラのからだは薬のかたちになってしまいました。
テレビでも話題になり、いろいろな職業の人が病気を治そうとやってきますが、みんなカミラの姿をますますひどくしただけ。
さて、カミラのからだは一体どうなっているんでしょう。
カミラの”しまもよう”を元に戻すヒントになるのは、「リマ豆」です。
リマ豆とは?
主人公のカミラ・クリームが本当は大好きな食べ物として、リマ豆が登場します。
日本では馴染みのない食べ物ですよね。
リマ豆は、アメリカではポピュラーな豆なようで、「Lima beans」という名前で販売されています。
日本では、「ライ豆」とも呼ばれており、このLimaというのは、ペルーの都市の名前のようです。
そら豆に近いような感じの見た目で、味もそら豆に近いそうですよ。
読み聞かせをしてみて
「ストライプ-たいへん!しまもようになっちゃった」は、絵本の内容からしても、高学年向きです。
低学年だと、絵本の内容はわかっても、絵本が伝えたいことが伝わりきらない可能性があります。
5年生、6年生だと、内容も意味も理解してもらえると思います。
また、絵も少々グロテスクで…低学年だと、怖く感じる子が出てくる可能性もあるので、高学年の読み聞かせが無難です。
今回、5年生に向けて読み聞かせをしましたが、感動してくれた子もいたようです。
自分の好きな食べ物さえ言うことが出来ない、本当の自分をみんなの前で出すことが出来ない、主人公カミラに降り注ぐ大変な事態に、みんな同じじゃなくていいんだよと、教えてくれる、そんな絵本です。
最後のページ、リマ豆を食べるカミラの笑顔が、全てを物語っていますよね。
読み終わったあとは、子どもたちに、自分を大切にすること、それと同じくらい相手を大切にすること、誰かに悪く言われても気にしないで自分を好きでいること、など、伝えてみるといいですよ。
5年生くらいになると、きっと「みんなと横並びにしなきゃいけない自分」に、無意識にストレスを感じている子供もいると思います。
「同じ意見じゃないと仲間外れにされるかも」と思っている子供もいます。
そんな子どもたちの気持ちに応えてくれる絵本の読み聞かせになっていたらいいな、と思いました。
そして、人と違う自分であっても、自分を好きでいてほしいなという思いが、伝わっていますように…。
読み聞かせ時間は、15分程度です。
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